秋は、夏の暑さで消耗した体力の回復と、冬の寒さと乾燥への備えが必要になります。
中国では、特に、体液を増やし体を潤す補血補陰を目的とした食材を選んで食べると良い、という考え方があります。
今回は3品をご紹介することにしました。ちょっと手間のかかるものもありますが、是非つくって、皆様で食べてみて下さい。
【材料】豚の三枚肉800g〜1kg 新栗600g〜800g
【作り方】三枚肉をやや大きめの角切りにします。これを中華ナベに入れ中火で両面をきつね色に焼きます。(余分な脂分を焼き取ると肉の旨味を封じ込めることができます)
肉から出た脂を捨て、大き目の鍋に1.5l位のお湯を入れておき、この肉を移し中火で沸騰させます。浮いたアクと油をすくって捨て、老酒を半カップ加え、ここで火を小さく弱火でじっくりと煮詰めて1時間半、これにお砂糖大さじ3杯、塩小さじ1/2杯、五香粉を適量入れ、さらに15〜20分煮詰めます。
ここであらかじめ硬皮と渋皮を剥き取った新栗を全部入れ、ゆっくりと煮詰めます。
栗が柔らかくなったら、味付けを加減します。
やや濃い甘から味が美味しいと思います。
煮汁が少なくなったら盛り付けます。煮汁が多いときには、肉と栗を取り出し、汁を煮詰めて肉と栗の上からかけてもよいです。
【性味】 | 【帰経】 | 【効能】 | |
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栗 | 甘温 | 脾胃 | 腎、胃腸を丈夫にする |
豚肉 | 甘鹹平微寒 | 脾腎 | 血を養う、体液を増やし、体を潤す |
【材料】百合根2個 豚肉(牛肉、鶏肉はお好みで)250g グリーン野菜(インゲン、アスパラなど)適量 海老適量 キノコ適量
【作り方】百合根をくずして硬い部分は取り除きます。片状の百合根をお湯に入れさっと茹でる。豚肉を食べやすい大きさに切り、片栗粉小さじ2杯でまぶし、これを醤油大さじ2〜3杯に混ぜておきます。グリーン野菜も軽く茹でておきます。
大さじ4杯くらいの油を鍋で熱し、味をつけておいた豚肉を油の中に入れ、強火でほぐしながら炒め、肉の色が白くなったら、百合根、野菜、海老を加えてさらに炒めます。お酒大さじ3杯、塩小さじ1/2杯、醤油大さじ1杯、砂糖少々を入れ、強火で混ぜながら炒めます。満遍なく混ぜたら火を止め、ごま油を少々たらし、出来上がりです。
【性味】 | 【帰経】 | 【効能】 | |
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百合根 | 甘苦、微寒で潤 | 心肺 | 潤肺止咳、寧心安神 |
いんげん | 甘平 | 脾胃 | 健胃、解毒 |
エビ | 甘温、小毒 | 肝肺 | 強精、乳汁分泌促進 |
豚肉 | 甘鹹平微寒 | 脾腎 | 血を養う、体液を増やし体を潤す |
【材料】氷砂糖適量(12〜14個) 洋梨2個(どんな種類でもよい)
【作り方】洋梨の皮を剥き、へたを横からきれいに取ります(後で使用)。洋梨の芯をきれいにくりぬきます(ただし、貫通してしまわないよう注意)。この芯を抜いた部分に、氷砂糖を切り口まで詰め、上にへたを載せ、お椀に入れます。
蒸し器で30〜40分ふかしたら、出来上がりです。お好みで、蒸したまま温かいデザートとしても、冷蔵庫で冷やして冷たいデザートとしても美味しく頂けます。
【性味】 | 【帰経】 | 【効能】 | |
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氷砂糖 | 甘温潤 | 肝脾 | 肺を潤す、胃を和らげる |
洋梨 | 甘微酸寒利 | 心肺胃 | 渇きを止め、肺を潤す、利尿、清熱、解毒 |